人間関係の喜び

幸せの基盤は喜ばしい人間関係にあることを

悪魔的社会体制

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再放送ドラマ「おしん」に登場する初子、
彼女は、生家の「家計を助ける」ために、
わずかに50円の金額を親が「取って」、
3年間の下働き奉公に出されましたけど、
奉公先は、大阪の飛田遊郭ということで、
でも、いきさつにより、
おしんの家で奉公することになりました。
年齢的には小学校3年生でしたが、
おしんの家で奉公することになったため、
4年生の新学期からは、
学校に行かせてもらうことができました。

さて、昔ですが私は、ある高齢の方から、
その方の若い頃の食事の話を、
聞いたことがありました。
麦飯と味噌汁で、それに、ほんのわずかに、
漬物が付いて、それが食事の全部だったと。

「菜飯」なんてのも普通だったそうでして、
その当時の菜飯ってどんなものだったのか、
想像できませんけど、今日の添付写真は、
間引き大根の葉をご飯に混ぜたものでして、
味噌汁はジャガイモ、ニンジン、分けネギ、
そして油麩です。
もちろん、その他におかずがありますから、
昔の食事とは全然違うんですけど、
今朝の膳から、飯と汁だけ、撮影しました。

話を戻しまして、初子のことですけど、
小学校3年生の年齢で、すでに、
生家の経済的苦境を「救済する役割」を、
「担わされて」いまして、でも彼女は、
その役割を担うしか「生きる道が無い」、
つまり、絶体絶命の窮地にありましたね。

あの、人の適応力って、ものすごくて、
初子は「必死の思い」で環境に適応し、
子どもながらに「身売りされる道」を、
受けいれる ・ ・ ・ と言うか、
実際、「それ以外の選択肢が無い」、
絶望的に残酷な情況に置かれてまして、
年季奉公」という「名称」ですけど、
最初、行き先は飛田遊郭だったわけで、
まあ、実質、身売りと変わりがないと、
私は思います。

その初子が、おしんの家に留まるわけで、
彼女は、いっしょに暮らす人々の苦境を、
「救済する役割」を担わされている意識、
それはもう、強烈なものがあったんだと、
私は確信するんですけどね、もし、
仲間を「救済しなければ」、仲間から、
「放逐される」恐怖があったに違いない、
私は、そういう推測を確信しています。

だからこそ、3月という寒期の夜中に、
雄の苦境を救済するために、
小学校3年生の年齢で水ごりするという、
驚異の行動に出たんだと、私は思います。
(あの、理性と言うか、理知的判断など、
 感情的、情動的反応に対して無力です。)
また、それほどに、初子は、
超、超「厳しい人生」を送ってきたと、
私は考えます。

話は飛躍しますけど、戦時中の特攻隊も、
「お国のために」という理由づけで、
犠牲を強いられたんだと思う私です。
ああ、特攻隊ばかりではなく、
日本兵職業軍人じゃなかった人)って、
みんなそうだったと思いますけど、
今、ちょうど、再放送ドラマ、おしんが、
厳しい戦争に向かう時代の人々の姿を、
描いてますから、これからどうなるのか、
終戦までのドラマ展開を見たい気持ちが、
私にはありますね、なにしろ、
「今では想像もできない時代」の様子が、
ドラマで見られるということで ・ ・ ・

さて、初子は、
「親たちを救済する役割」を担うんだと、
「思わされて」いて、同じようにですね、
子ども時代のおしんも、結局、
誰か他の人(親や共同体の人)のために、
あなたは、犠牲になって身を捧げなさい、
・ ・ ・ と思わされ、「自分の役割」は、
共同体の人の為に「身を捧げることだ」
と「信じ込ませられている」情況でして、
そういうの、特攻隊も同じと思いますが、
「悪魔的社会体制」だと感じてる私です。