人間関係の喜び

幸せの基盤は喜ばしい人間関係にあることを

いろんな「苦境」と不幸

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前回の続きですが、酒田の米問屋で、
大店の加賀屋ですけど、
その長女で「お嬢様」だったのが加世で、
何不自由ない暮らしなんですけど、
加世は加賀屋を継ぐのが嫌なんですね。
でも、結局、加賀屋を継ぐことになり、
嫌いな男と無理やり結婚させられ、
最後には女郎となって死んでしまいます。

加賀屋の婿養子になったのは、
東京帝国大学卒という最高の学歴を持つ、
政男という人でしたが、
加賀屋の経営に失敗して加賀屋が破産し、
政男は自殺してしまいます。

関東大震災の後、おしんは、
佐賀にある夫の実家に行くんですが、
その家は地主で、小作の娘おしんには、
「夢のようにすばらしい」家かと思えば、
おしんはそこで、むごいいじめを受けます。

さて、高倉浩太という人の親は、
貴族院議員であり、大地主の家でして、
また、多額納税者なんですけど、
浩太はそういう「恵まれた」家を嫌い、
社会的な地位が高く、財力もある身分を、
疎ましく思って社会主義運動に走りますが、
投獄されて拷問を受けることになりました。

こうしてみますと、一見、
「うらやましい」境遇にあると見えても、
実際は、非常に苦しい情況に陥ってる人が、
いるんですよね。

さて、おしんは、長男の雄を、
旧制中学にやりたいわけで、そのためには、
中学受験がありますから、
おしんの期待を叶えようとする雄は、
非常に苦しむことになるんですね。

おしんには、子どもの頃、小学校にすら、
行かせてもらえない苦しみがありましけど、
雄は雄で、中学の入試には、母の為に、
絶対合格しなければならないという重圧が、
のしかかってくるんですよね。

だから、その人にとっての「苦境」って、
社会的な地位が高いか低いか、
経済的に豊かか貧しいかとか、その他、
いろんな条件とは「関り無く」ですね、
どんな情況におかれている人にも、
「苦しい情況」があったりするんですよね。

そこで、初子は、「雄の苦境」を、
知ることになりました。

さて、そのために、「雄の苦境」に反応し、
初子は「みずごり」をしちゃうんですが、
次回にそのことを書きたいと思います。