人間関係の喜び

幸せの基盤は喜ばしい人間関係にあることを

親密な関係の幸福

人と親密な関係が持てることは、
とても幸せなことだと思います。

さて、前回の続きを書きますけど、
お清は、おしんの子どもの雄を、
おしんから引き離して、
「自分のもの」にしようとしますね。

そのことなんですけど、
乳幼児の頃って、誰でもですけど、
生母、あるいは生母がいない場合は、
生母に変わる人との親密な関係が、
とっても大切だと思うんです。
そして、それこそが、
幸せの源だし、また、
これからの人生を生きていくための、
エネルギーになると思うんです。

ところが、ですね、幼少の時期に、
母と良い関係が持てなかった人って、
どうも、大人になってからも、
さらに、死ぬまで ・ ・ ・ という、
悲惨な例もあるみたいですけど、
心の面に問題を抱えちゃってることが、
多いようですね。

ところで、祖母のお清が、孫の雄を、
自分に引き付けておきたい理由は、
何なのでしょうか?

私は先日、あるテレビ番組で、
愛犬と飼い主の関係を見ました。
愛犬って、飼い主である人の心を、
すごく癒してくれるって言うんです。
私はペットを飼ってませんから、
その気持ちはわからないんですけど、
たとえば手術を受ける不安な時も、
愛犬が病院内に待機していてくれる、
たったそれだけのことで、
心理的にたいへん心強いそうですね。

その、愛犬が待機するシーンを見て、
私は、お清が孫を必要とする理由が、
突如、わかったように感じました。

そうか、お清は、
つらく、苦しく、どうしようもない、
惨めな自分の気持ちを紛らわすため、
自分を「ケアしてくれる存在」を、
求めていたのだと。

 ・ ・ ・ つまり、
大人が幼児をケアするのとは反対に、
老齢の人間が、幼児をですね、
相手は「幼児」なんですけど、
その幼児を、
自分をケアする介助者としている
ということなんです。
もちろんそれ、
「精神的に」ということなんですが、
続きはまた次回に書ければ・・・