人間関係の喜び

幸せの基盤は喜ばしい人間関係にあることを

不幸な母子関係の物語

前回、わが子の結婚相手を、
親が決める話を書きましたが、それは、
昔のテレビドラマ「おしん」の再放送、
110話を見たからでして、
おしんの夫である竜三の母親は、
息子(竜三)の嫁を、
自分で選ぶつもりだったというのです。

それで、110話で、竜三が言います。
「父さん、まだ母さんは、
 おしんのことを根に持っているのかい?
 
竜三の父、大五郎は答えます。
「何も、慌てることはないよ。
 お前たちが、
 東京でちゃんと暮らしていれば、
 そのうち許してくれる。
 雄だって、血を分けた孫だろう。
 かわいいことには、変わりがない。」

竜三「父さんは、母さんにいったい、
 何の遠慮をしているんだい?
 おしんは、私には過ぎた女房だ。
 それを父さんだって、
 認めているでしょう。
 父さんが、間に入ってくれれば。」

大五郎「竜三、
 おしんさんはいいお嫁さんだよ。
 しかし、お清はお清で、
 お前の嫁に夢があった。
 いくら説得したところで、
 お清にはあきらめがつかないんだ。
 それぞれに、
 思いがあるのは仕方がない。
 こういうことは、
 時がたつのを待つより仕方がない。」

竜三「それでは、
 おしんがあまりにかわいそうだ!」

おしん「私は、
 なんとも思ってはしません。
 お父さまには、こんなに
 かわいがっていただいいるんです。
 私たちが、一生懸命暮らしていたら、
 いつかきっと、お母さまにも。
 長い目で見てもらいましょうよ。」

そして、竜三は、次のようにも言います。
「私はな、田倉商会を
 一流の企業にしてみせる。
 そして、おしんと大きな顔をして、
 佐賀へ連れていってみせるよ。
 おしんが、支えてくれたから、
 ここまでになったというのを
 お袋にわからせてやりたいんだ。
 私が、男としてすることをすれば、
 文句は言えないはずだ。
 それが、私の夢だ。
 必ずやるから、見ていてくれ。
 おしんと雄を大きな顔をして、
 佐賀へ連れていってみせる。」

さて、竜三の父、大五郎は、
こんなふうに言います。
おしんさん、竜三はな、
 兄二人、妹にはさまれて、
 一番、母親に縁の薄い子だ。
 母親の愛情には、飢えていた。
 そんなふうだから、
 竜三のことを哀れに思ってしまう。
 つい、甘くなってしまう。
 誰よりも、母親に認めてもらいたい
 という気持ちも強いだろう。 
 この仕事が成功できれば、お清も、
 きっとおしんさんを許すだろう。
 そうなったら、竜三のためにも、
 おしんさんのためにも、
 お清のためにも、
 いいことじゃないか。
 黙って、竜三を
 助けてやってください。」

テレビドラマおしん、110話から、
一部分を紹介しましたけど、
そこには、母子の不幸な関係の例が、
描れてますね。

それで、どういう点が不幸なのか、
それはまた次回以降に ・ ・ ・