遠藤周作を読んで(第2回)
「初恋」という小説で、小学三年の少年が、
同級生の少女を好きになりまして、
彼は煩悶の末、ついに決心して、
彼女に声をかけるわけですが、何と、
「彼女を傷つける」言葉を言っちゃうんですね。
・・・で、小説にはこう書いてあります。
「それが私の愛の言葉だった。
心とは全く裏腹のこの言葉を、
百米先に歩いている彼女にかけることで
自分に関心をひこうとしたのである。」
いやあ、私には全く理解不能です、わかりません、
困惑の極みです。
前回、「その人の立場に立ってみれば理解できる
・・・っていう考えは誤りだ」というようなこと、
書きましたけど、その一例です。
他の人の心情で、
私には想像もできないびっくりするようなことって、
あるものなんですね。
「自分の考え」や「自分の世界」だけではない、
思いもよらないことが存在するんだということを、
心に留めておかなくちゃ・・・と思いました。
続きはまた次回に。